ヴェルテウス王国 Vellteus-Kingdom
フレスリーザ・レオンハルトやパノス・ローヴァの祖国であり故郷。小さい国だが独自の言語がある。
二千年の歴史がある古い王国。
王家の直系の血筋は断絶寸前である。その理由は代々高い魔力をもつ王家の血を色濃く残すために
長きにわたり近親婚を繰り返した結果、不妊や短命を生むこととなってしまったため。
現在でも王家の血を引く者は生まれながらにして子供を残しにくい身体となってしまい、
どんなに子作りに励もうとも子供は1人しか残せない。リーザの父にも25人の妃がいたが、生まれた子はリーザのみであった。
こういった背景のため、世継ぎとなる子を産んだ女は「国の聖母」として崇められ、王家と国の安泰を願うため
人間としての存在(戸籍など)は抹消され、「祈りの塔」と呼ばれる建物に、生き神として一生涯幽閉されてしまう。
リーザは王国を飛び出しており、既に数年が経っているが、父王が健在なので国は機能しており、リーザがいなくても現時点では問題がない。
だが皇太子が失踪したからといって、前述の通り、代わりに継ぐことのできる真っ当な血筋の者もいないため、
国はリーザから王位継承権を剥奪することもできず、考えてもいない。
何より父王がリーザの存在を諦めていないため、父王が生きている限りはリーザはずっと皇太子の身分のままであろう。
だが当然その現状を良く思っていない者たちもいる。
王家の直系は歴代一人っ子だが、リーザの数代前の王には奇跡的に一人だけ兄弟が居た者がおり、
その子孫の一族が王家の直系を乗っ取ろうと企んでいる。
リーザが幼い頃から食事に毒を盛られたりと色々と狙われていたのは、その一族の手によるもの。