君に逢えて良かった きみにあえてよかった
ねぎ秘密結社で公開されている小説。全体的にシリアス。桐島上総と、亡くなった妻・奏子の出会いの物語。
学力はずば抜けていたものの、なんの目標もなく、親や周りの期待に応えるためだけに東大に進学した上総。
そこで未来の妻・鳴海奏子と劇的な出会いをする。
根暗で人を寄せ付けない上総の「素材の良さ」を見抜いた奏子は、彼を連れ回し一気にイメージチェンジを図る。
その結果、誰が見ても爽やかイケメンとなった上総は、男女問わず声を掛けられやすくなるが、
彼の心には既に奏子という想い人が住み着いていた。
その後、二人は大学内にて頻繁に会うようになり、やがて奏子からの告白により付き合い始める。
だがそれは彼女にとって、闘いの日々の始まりでもあった。
次第に体調を崩し、大学を休み始める奏子。上総とは、電話などで毎日の連絡を絶やすことはなかったが、
ある日突然、「入院する」と告げたまま奏子はいなくなってしまう。
その後、一時退院したという奏子の口から直接、「癌により余命半年」ということを知らされる上総。
最期の時まで、もう一秒たりとも離れたくなかった上総は、その場で奏子にプロポーズをした。
近いうちに必ず終わりが来る結婚生活を、一日一日の幸せをかみ締めるように過ごす二人。
そして遂に、運命の時がやってきた……。