正義が禁忌を犯す時 せいぎがきんきをおかすとき
ねぎ秘密結社で公開されている小説。全体的にシリアス。
最近頻発する通り魔事件。関口結佳は何故かその犯人を執拗に捜し続けていた。
実は彼女の妹がその通り魔に深く傷つけられたのである。結佳は敵討ちをするために犯人を追っているのだ。
体調が悪いにもかかわらず、敵討ちの機会を狙う結佳。だが雨の中張り込みを続けていた彼女はとうとう倒れてしまう。
その現場を通りかかった奥田早瀬は、自宅で結佳を介抱する。
だがそれをきっかけに早瀬も彼女の通り魔敵討ち騒動へと巻き込まれていくこととなる。
張り込みを続けて数日後、結佳は遂に犯人と対峙する。だが戦い方を何も心得ていない彼女はすぐに窮地に陥るが、
助けに入った早瀬の活躍により犯人は逃がすも大事には至らずに済む。
妹の敵を討つためなら自分の命すら惜しくはない、と言い放つ結佳を早瀬は一喝し、敵討ちを止めさせようとするが
正義感の強い彼女は言うことを聞かず、その場を去ってしまう。
早瀬の説得は最もであり、犯人に命を賭けて一矢報いたところでどうなるわけでもない。
それは解っているのだが彼女の中の正義が復讐を止めることを許さない。
迷いつつも結佳は犯人との再戦に挑んだ。だがやはり歯が立たない。
決死の覚悟で犯人に突進したその時、社員の面々が助太刀に現れ、犯人はボコボコにされた。
社員達は最後の一撃を結佳に任せ、それで彼女の敵討ちはひとまず完結した。
後日、休んでいる間に溜まった仕事を残業で片づける結佳。
早瀬が、結佳を助けてやって欲しい、と社長と社員達に頭を下げたと知った彼女は
彼に、自分が世の中の全ての悪を許せずにいる理由を語り始める…。