歌う山 - The Singing Mountain - うたうやま ざ しんぎんぐまうんてん
ねぎ秘密結社で公開されている小説。SFコメディー恋愛ストーリーの煮っころがし。
東堂浪路メインだったような気がするが彼女自身は最初と最後くらいにしか出てこない。
社員達は、真冬であるというのに、久我恭一郎によりとある山奥へと招待されていた。
しかし来てみれば、久我の発明「気候操作システム」により山全体は暖かく、まるで春のようであった。
想像とは違い、山は暖かく、招待された屋敷はとてもゴージャスで社員達ははしゃいだ。
そんな中、一人だけ浮かない顔をしている者がいた。東堂浪路である。
よく見ると今回の参加者は浪路と久我を除き全て恋人同士か夫婦で、一人取り残され気味の浪路は面白くなかったのだ。
一人拗ねている浪路に、軽くつっかかる成沢眞妃。元々衝突しがちの二人は次第に激しい言い争いになり、ケンカ別れする。
その直後、大きな揺れと共に浪路のいた遊歩道が崩れ落ち、眞妃の視界から消えた。
後を追ってきていた成沢 明に地震の事を話すも、揺れてなどいないと不思議顔をされてしまう。
それどころか目の前で崩れ落ちたはずの遊歩道が、何事もなかったかのように元通りになっている。
だが辺りを探してみても、浪路の姿だけは見つからなかった。諦めて先に戻った明をよそに、浪路の捜索を続ける眞妃。
遂に浪路の被っていた帽子を見つけるが、帽子には血が滴っていた。
この出来事は、普通の人には信じてもらえないと思った眞妃は、普通の考えを持たない久我の元に走る。
眞妃の疑問に、久我はふざけずに真剣に答えた。
この山は以前から、正体不明の音波が発せられており、その音波の影響か、物を壊しても元通りになるという現象が起きるというのだ。
その現象のお陰で、崩れたはずの遊歩道も元通りになったのだ。まだ未確認だが、この音波が人体にも影響のある物だとしたら
怪我を負っているかもしれない浪路も、怪我が治りどこかで助けを待っているかもしれない、と久我は予測した。
山に来ている社員達と、久我が呼び出した鳥居家のガードマン総出で、浪路捜索が始まった。
遠山 満・蔵石沙織・桐島上総の三人が捜索していると、眞妃と浪路が遭ったあの地震が再び起こる。
地面が割れ、正体不明の地下施設への扉が現れる。三人はためらいもなく乗り込んだ。
同時に眞妃と明の二人は、別の手段により同じ地下施設へと侵入していた。
中は迷路のようになっており、てんでバラバラになってしまった社員達は闇雲に浪路を探す。
そこで眞妃は異星人でありこの施設の主・ピーターと出会う。
みんなの予想通り、浪路はこの施設にいた。最初に浪路にたどり着いたのは上総であった。ピーターに案内され、眞妃も浪路と対面する。
だが、浪路は遊歩道から落ちた時に既に死んでしまっていた。
ピーターの補助により、散らばっていた社員達が浪路の遺体の元に集められる。誰もが驚愕・呆然・悲嘆した。
そんな中、ピーターのみが飄々としている。元はといえばこの施設が起こした地震により浪路が事故に遭ったのだ。
何の罪悪感も持たないピーターを、社員達は責める。だがピーターは、浪路は自分が生き返らせると、あっさりと宣言する。