そして二度目の梅雨が来る そしてにどめのつゆがくる
ねぎ秘密結社で公開されている小説。全体的にシリアス。
成沢眞妃とハインリヒ=明=相原(現・成沢 明)の物語その2。
社長に依頼された書類を両腕に山ほど抱え、廊下を歩いていた大島 橘はハインリヒ=明=相原とすれ違う。
運ぶのを手伝ってもらおうとするが彼の様子が何やらおかしい。今までに見たこともないような暗い顔をしているのだ。
橘に勘ぐられたことに気づいた明は、素直に理由を打ち明けた。
実家のイギリスにいる母が病気になり、会社を辞めて帰国を余儀なくされたのだという。
後日、朝礼にて新入社員のフレスリーザ・レオンハルトが紹介される。そこで初めて、全社員に明が退職することが告げられた。
だが不幸にもその場には成沢眞妃だけがいなかった。
たまたま遅刻してきた眞妃は、後からその事実を告げられ、明が今まで自分に黙っていたことを不満に思い、明を問いつめる。
だが明は、「彼女でもないのにこういう時だけ怒るのか」と冷たく突き放す。
イギリスに帰れて嬉しい、と告げて眞妃の前を去る明。
その後たまたますれ違った東堂浪路が彼を呼び止めるが…彼は返事も出来ないほど号泣していたのだった。
翌日、眞妃を問いつめる浪路。明をどう思っているのかと。
相変わらず自分達が別れたのは明が男と浮気していたからだと思っている眞妃。
浪路は眞妃に、目に見える物だけが真実だと思うな、と忠告する。
もし、明が男と浮気していたというのが真実ではないとしたら…?
浪路の言葉に揺れる眞妃。悩んでいるうちに気づくと終業時間が過ぎていた。
そこに出張から帰ってきた吉村悟史が現れる。いつも妻や子供と幸せそうな悟史。
眞妃は彼にどうしてそんなにも妻のことが信じ切れるのかと問う。
夫婦だからこそ、恋人だからこそ。まず誰よりも信じることが大切なのだと悟史は答える。
悟史の言葉に、眞妃は忘れかけていた気持ちを思い出し、涙を流した。
その後、浪路と橘にも後押しされ、眞妃は明に自分の思いを伝えることを決意する。
意を決して明のマンションを訪ねるが、なんと彼は予定を早め既にイギリスに発った後であった。
伝えるべきことも伝えられないまま、消えた明。数日後、誰もいない彼のマンションのドアに悔しさを叩きつける眞妃。
そこに、イギリスに発ったはずの明が現れ…。