遠い日の慟哭 とおいひのどうこく
ねぎ秘密結社で公開されている小説。どシリアス。
秋の夕暮れ時。東堂浪路は何者かの墓参りに来ていた。
墓の前に座り込み、煙草をふかしながら故人と過ごした日々を思い出していた。
東堂浪路、16歳。一つ年上の姉・真砂、17歳。二人は同じ高校に通うごく普通の仲の良い姉妹であった。
ただ一つ普通じゃないのは、二人とも家の掟により男性として育てられ、女性ということを隠し男子高に通わされていること。
お互い、掟に縛られ結婚はおろか恋愛も出来ない身だが。
浪路はこのまま真砂と一生暮らしていくのも幸せのひとつだと思っていた。
下校時、真砂はとある忘れ物をしたために一人で学校に戻っていく。
教室を覗くと、真砂の落とした物を手に、不良グループ数人が集まっていた。
真砂が落としたのは、男性が持つはずもない「生理用品」だったのだ。
不良達に見つかり、女性だとバレてしまった真砂は強姦されてしまう。
その後浪路は、変わり果てた姿の真砂と対面することに…。
事件のショックから、抜け殻状態で何も話さなくなってしまった真砂。浪路も共に学校を休み、ずっとそばに付き添っていた。
なんとか元気づけようとする浪路。だが真砂は反応しない。
そんな中、TVのニュースにて真砂を襲った不良達が事故により全員死亡したとの情報が流れるが…。