―――6月――― ろくがつ
ねぎ秘密結社で公開されている小説。はちゃめちゃコメディー+後半は大島 橘と森川みはるの物語その2。
暑苦しい、ある夏の日。エアコンが壊れてしまったねぎ秘密結社は、社員の面々が暑さにぐったりしていた。
新しいエアコン導入を申請するも、予算の関係で小さい物しか買えないらしい。そこで沢井英司が提案したことは…
「部署対抗で肝試しをして、優勝した部署にだけエアコンを導入する」というものであった。
成り行きで開発研究室以外の社員達が参加することになった肝試し。会場は会社の近くの廃校の校舎である。
校舎内のチェックポイントのスタンプを全て押し、最初にたどり着けば優勝だ。午後11時、一斉にスタートする。
そんな中、大島 橘は、ペアを組んでいる百武愛子の足の速さに着いていけず、一人で校舎内を歩いていた。
その時、どこからともなく少女が呼びかける声を耳にする。振り向くとそこにはセーラー服姿の幽霊がいた。
少女は「あなたが心の奥で望んでいることを代わりにやってあげる」と告げると、橘の抵抗など物ともせず取り憑いてしまう。
取り憑かれた橘は、ハインリヒ=明=相原や英司を殴り飛ばしたりと、普段からは考えられない行動に出る。
明らかに様子がおかしいと思った社員達は、橘を止めようとする。だが橘はみはるの姿を見た途端、彼女を強く抱きしめた。
橘は、混乱するみはるにお構いなしに何かを語ろうとした瞬間、成沢眞妃に止められる。
橘に襲われた明から話を聞いていた眞妃は、彼に取り憑いた者の正体を知っていた。
彼女は、この廃校に通っていた中学生・岩倉由美子で、いじめにより自殺し、地縛霊としてこの場に留まっていたのだ。
観念した幽霊は、橘を道連れに屋上から飛び降りようとするが、正気に戻った橘に説得され、消えた。
幽霊に憑依されたのが原因で精神力を大幅に消耗した橘は入院を余儀なくされた。
橘がいる病室。そこに、みはるが一人で現れ…。